がんばってます

髪型

ロン毛になりたい。「ロング」ではなくて。

「ロン毛」という男の人だけが出来る髪型になりたい。

90年代のキムタクは「ロン毛」ではなく「ロング」に近い気がする。でも、近いというだけで「ロン毛」なのではある。お洒落の為に髪を伸ばして染めるというのは、女性のそれと本質は同じであるのに、それでも「ロン毛」なのだ。それは何故か。そこに生まれる中性感、異質感は女性の「ロング」にはないからだ。

しかし、私はこのような洒落た営みに憧れているのではない。キムタクはあの端正な顔であるから「ロング」に近いものをなし得ているのだ。そのような俗から離れたものへの羨望を抱いているのではない。男性だけに出るあの不精感というか、清潔から少し離れたところにいて、それでも格好良さみたいなものを残し続けているあの感じ。それと反社会的な態度の表出みたいな、他者を全く意に介していないあの感じが好きだ。それでいて、お洒落とは離れている方が好きだ。パーマとかカラーは無い方が良い。人間的な感性の媒介を挟まない、自己顕示欲とか承認欲から離れたところにある方が良い。自分がとっくの昔に、大事なものなのに生きるために捨ててしまったものを眼前に見ているようで憧れとかホッとするとかそういう感情を呼び起こされる。